●試験結果の考察
ナノ・セラミックス塗布試験体の性能試験によるとホルムアルデヒド(HCHO) に対する除去性能を示す相当換気回数は0.93~1.2/h(平均1.0/h)。これは例えば、換気回数0,5/hの内容積20立方mの部屋にナノ・セラミックス塗料を 15.6平方m塗布すると、換気回数1.0/hの効果が付加されたことに相当する。
すなわち、このナノ・セラミックス塗料は有意なホルムアルデヒド除去性能 を有すると判断することができる。 また試験開始5日後でも高い除去性能は保持されていた。
●ナノ・セラミックス塗布試験体の試験結果
<下図>
●結論
ナノ・セラミックス塗料は、実環境におけるホルムアルデヒドの発生・挙動を想定した流通 式小型チャンバー試験において、室内濃度指針値レベルのホルムアルデヒドに対して、有意な低減効果を有しており、性能持続性にも優れていることが分かった。
●研究協力
関根嘉香 理学博士
東海大学 理学部化学科 准教授
東海大学大学院地球環境科学研究科
慶応義塾大学産業研究招請研究員
<専門分野>
環境化学・微量分析
<主な著書>
「中国の空 日本の森」慶応義塾大学出版会
1966年東京都出身。慶応義塾大学理工学部応用化学科にて環境化学(橋本芳一研究室)を 学ぶ。1991年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。同年日立化成工業株式会社に入社。
1993年東海大学理学研究科にて理学博士号取得。2000年東海大学理学部講師、2004年同助 教授。2007年同准教授。1998年慶應義塾大学産業研究所特別研究員。2004年英国Oxford Brookes University訪問研究員。2008年より慶應義塾大学産業研究所招請研究員。
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